KTM RC 390 2023年モデル
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KTM RC 390とは? その概要と特徴
KTM RC 390は、オーストリアのバイクメーカーKTMが製造・販売するスーパースポーツモデルです。普通二輪免許で運転可能な排気量ながら、本格的なスポーツライディングを楽しめることで、初心者からベテランまで幅広い層のライダーに支持されています。
現行モデルは2022年にフルモデルチェンジを受け、MotoGPで活躍するKTMのレーシングマシン「RC16」からインスパイアされたデザインと技術が多く取り入れられました。

フレームや足回りも一新され、より軽量かつ高剛性に進化。エンジンも最新の排出ガス規制(EURO5)に対応しつつ、パワフルな走りを実現しています。
まさに「READY TO RACE」というKTMのブランドスローガンを体現する、エキサイティングな一台と言えるでしょう。
RC 390(2023年モデル)の魅力・注目ポイント
2023年モデルのRC 390は、クラスを超えた装備と性能が魅力です。ここでは特に注目したいポイントをいくつかご紹介します。
クラス最高レベルのパワフルな単気筒エンジン
RC 390の心臓部である373cc水冷単気筒エンジンは、最高出力32kW(44PS)を発生。単気筒ならではのトルクフルな加速感と、高回転域までスムーズに吹け上がるフィーリングが特徴です。
低中速域での扱いやすさも兼ね備えており、街乗りからワインディング、サーキット走行まで、様々なシーンでそのポテンシャルを発揮します。

軽量・高剛性な新設計フレームとWP製サスペンション
フルモデルチェンジで採用された新しいトレリスフレームは、従来モデルよりも軽量化されながら剛性が向上。これにより、軽快なハンドリングと高いスタビリティを実現しています。
サスペンションには、KTM傘下の高性能サスペンションメーカーWP製のAPEX(アペックス)を採用。フロントには倒立フォーク、リアにはモノショックを装備し、路面追従性に優れたしなやかな乗り心地と、スポーティーな走りにおける安定感を両立しています。

レーシングマシン直系のスタイリング
MotoGPマシン「RC16」を彷彿とさせるエアロダイナミクスを考慮したカウルデザインは、RC 390の大きな魅力の一つです。シャープでアグレッシブなラインは、見る者に強烈な印象を与えます。
2023年モデルのカラーバリエーションは以下の通りです。
- KTM Orange:KTMのブランドカラーである鮮やかなオレンジが特徴。
- KTM Blue/Orange:ブルーを基調とし、オレンジのアクセントが効いたレーシーなカラーリング。
また、よりレーシーな外観を持つ「RC 390 GP」もラインナップされています。こちらはMotoGPマシンにより近いカラーリングが施されています。


充実の電子制御システム
RC 390には、このクラスとしては非常に充実した電子制御システムが搭載されています。
- モーターサイクル・トラクション・コントロール(MTC):路面状況に応じてリアタイヤのスリップを制御し、安定した加速をサポートします。
- コーナリングABS:バンク角を検知し、コーナリング中のブレーキングでも車体の挙動を安定させる先進的なABSシステムです。
- オプション:クイックシフター+:クラッチ操作なしでシフトアップ/ダウンが可能になるクイックシフターもオプションで用意されており、よりスポーティなライディングを楽しめます。(※GPモデルには標準装備の場合あり、要確認)
これらの電子制御は、ライダーのスキルを補い、より安全かつ積極的に走りを楽しむことを可能にします。
フルカラーTFTディスプレイ
メーターには、視認性に優れたフルカラーTFTディスプレイを採用。速度、回転数、ギアポジション、燃料計などの基本情報に加え、輝度自動調整機能や、スマートフォンと連携して着信通知や音楽再生操作が可能な「KTM MY RIDE」にも対応しています。

ライバル車種との比較
KTM RC 390の購入を検討する際、比較対象となりやすいライバル車種として、ヤマハ YZF-R3やカワサキ Ninja 400が挙げられます。それぞれの特徴と比較してみましょう。
RC 390 vs ライバル車種
項目 | KTM RC 390 (2023) | ヤマハ YZF-R3 (参考) | カワサキ Ninja 400 (参考) |
---|---|---|---|
エンジン形式 | 水冷単気筒 | 水冷並列2気筒 | 水冷並列2気筒 |
最高出力 | 32kW(44PS)/9000rpm | 31kW(42PS)/10750rpm | 35kW(48PS)/10000rpm |
車両重量 | 155kg (乾燥) / 約170kg (装備) | 169kg (装備) | 167kg (装備) |
サスペンション(前) | WP製 倒立フォーク | 倒立フォーク | 正立フォーク |
電子制御 | トラコン、コーナリングABS | ABS | ABS |
特徴 | 軽量、高剛性、単気筒のトルク感、豪華装備 | 高回転型エンジン、バランスの良さ | パワフル(クラス最高)、扱いやすさ |
※YZF-R3、Ninja 400のスペックは参考値であり、年式によって異なる場合があります。
比較すると、RC 390は単気筒エンジンによる独特の鼓動感とトルク、そしてWP製サスペンションやコーナリングABSといったクラスを超えた豪華な装備が際立っています。乾燥重量155kgという軽さも大きなアドバンテージです。
一方、YZF-R3は2気筒エンジンによる高回転域の伸びやかさ、Ninja 400はクラス最高レベルのパワーと扱いやすさが魅力と言えるでしょう。
どちらが良いかは一概には言えず、ライダーの好みや重視するポイントによって選択が変わってきます。RC 390は、よりスポーティで刺激的な走りを求めるライダーや、最新の装備に魅力を感じるライダーに適していると言えます。
KTM RC 390はどんな人におすすめ?
これまでの特徴を踏まえると、KTM RC 390は以下のようなライダーにおすすめです。
- スポーツライディングを楽しみたい初心者・中級者:軽量な車体と扱いやすいパワー特性、充実した電子制御により、スポーツライディングの基本を学び、スキルアップを目指すのに最適です。
- サーキット走行に挑戦したい人:高いポテンシャルを持つ車体と足回りは、サーキット入門用としても十分な性能を発揮します。オプションのクイックシフターを追加すれば、さらに本格的な走行が楽しめます。
- デザインにこだわりたい人:MotoGPマシン直系のレーシーでアグレッシブなデザインは、所有欲を満たしてくれるでしょう。
- ワインディングを楽しみたい人:軽量な車体とトルクフルなエンジンは、日本の峠道のようなタイトなコーナーが続く道で真価を発揮します。
- 普通二輪免許で本格スポーツバイクに乗りたい人:免許の枠内で最大限のスポーツ性能と先進装備を求めるライダーにとって、有力な選択肢となります。
購入前にチェックしたいポイント
RC 390の購入を検討する上で、事前に確認しておきたいポイントをいくつか挙げます。
足つき性
シート高は824mmと、スーパースポーツモデルとしては標準的ですが、兄弟モデルの390 DUKE(820mm)よりやや高めです。車体がスリムなため数値ほどの高さは感じにくいかもしれませんが、小柄なライダーや初心者の方は、実際に跨ってみて足つきを確認することを強くおすすめします。
維持費
エンジンは単気筒のため、同クラスの2気筒モデルと比較して、部品点数が少なく、メンテナンスコストを抑えやすい傾向にあります。燃費も比較的良好な部類に入るでしょう。ただし、輸入車であるため、部品代や工賃が国産車よりも高くなる可能性は考慮しておきましょう。
取り回し
乾燥重量155kgとクラス最軽量レベルであり、取り回しは非常に軽快です。押し歩きや狭い場所での方向転換なども比較的楽に行えるでしょう。
リセールバリュー・中古価格帯
RC 390は人気の高いモデルであり、中古市場でも一定の需要があります。比較的新しいモデルであるため、極端に値崩れすることは考えにくいですが、年式や走行距離、車両の状態によって価格は変動します。購入前に中古市場の相場をチェックしておくのも良いでしょう。
まとめ:サーキット直系の興奮を身近に
KTM RC 390(2023年モデル)は、普通二輪免許で乗れるスーパースポーツとして、非常に高い完成度を誇る一台です。
- MotoGPマシン譲りのレーシーなデザイン
- パワフルでトルクフルな373cc単気筒エンジン
- WP製APEXサスペンションによる優れた足回り
- クラスを超えた充実の電子制御(トラコン、コーナリングABS)
- 軽量な車体による軽快なハンドリング
これらの特徴により、街乗りからワインディング、そしてサーキットまで、あらゆる場面でエキサイティングな走りを提供してくれます。
「READY TO RACE」のスピリットを身近に感じたい、そんなライダーにとって、RC 390は最高の選択肢の一つとなるはずです。
興味を持たれた方は、ぜひ一度お近くのKTMディーラーで実車を確認し、可能であれば試乗してみることをおすすめします。きっとその魅力の虜になるはずです。
よくある質問
RC 390の燃費はどれくらいですか?
公表されているWMTCモード値(クラス3-1、1名乗車時)は28.9 km/Lです。ただし、実際の燃費は走行状況や運転の仕方によって変動します。
運転するにはどの免許が必要ですか?
排気量が373ccですので、普通自動二輪免許(MT)で運転することができます。
初心者でも扱いやすいですか?
軽量な車体と充実した電子制御により、初心者の方でも比較的扱いやすいモデルと言えます。ただし、スーパースポーツ特有の前傾姿勢やパワフルさには慣れが必要です。不安な方は試乗してみるのが一番です。
スペック(2023年モデル)
価格 | 830,000円~(税込) ※GPモデルは850,000円(税込) |
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年式 | 2023年 |
排気量 | 373cc |
最高出力 | 32kW(44PS)/ 9,000rpm |
最大トルク | 37N・m / 7,000rpm |
エンジン形式 | 水冷4ストローク単気筒 DOHC 4バルブ |
ミッション形式 | 常時嚙合式6段リターン |
タイヤサイズ(前) | 110/70 ZR17 |
タイヤサイズ(後) | 150/60 ZR17 |
ブレーキ形式(前) | シングルディスク(ラジアルマウント4ピストンキャリパー) |
ブレーキ形式(後) | シングルディスク(1ピストンフローティングキャリパー) |
サスペンション(前) | WP APEX 倒立フォーク(Φ43mm) |
サスペンション(後) | WP APEX モノショック |
全長×全幅×全高 | 非公表 ※参考:ホイールベース 1,343±15mm |
ホイールベース | 1,343±15mm |
シート高 | 824mm |
車両重量 | 約155kg(半乾燥) |
タンク容量 | 約13.7L |
燃費(WMTC) | 28.9km/L(クラス3-1、1名乗車時) |
乗車定員 | 2名 |
※スペックは2023年モデルの日本仕様に基づいています。価格や仕様は予告なく変更される場合があります。