Kawasaki Z650RS【2024年モデル】のスペック・特徴・評価まとめ レトロモダンの魅力と最新情報

Kawasaki Z650RS

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カワサキ Z650RSは、往年の名車「Z」のスピリットを受け継ぐネオレトロなミドルクラスバイクです。1970年代のZシリーズをモチーフにしたクラシカルな外観と、現代の技術による扱いやすさを両立しています。2022年に国内デビューした比較的新しいモデルですが、発売当初から「レトロボリューション(Retro × Evolution)」をコンセプトに掲げ、多くのライダーの注目を集めてきました。

この記事では、**2024年モデル(日本仕様)**のZ650RSについて、エンジンや装備、カラーラインナップ、ライバル車との比較、さらにはユーザー層や維持費に至るまで、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。

目次

Z650RSってどんなバイク? 往年の名車を受け継ぐレトロモダン

Z650RSは、一言でいうと**“レトロモダン”なネイキッドスポーツ**です。

Z900RSの弟分、扱いやすさが魅力

兄貴分であるZ900RSの成功を受け、「もっと軽快で扱いやすい中量モデルが欲しい」という声に応える形で誕生しました。ベースとなったのは水冷2気筒エンジンを持つスポーツネイキッド「Z650」で、そこに1970年代の名車Zシリーズを彷彿とさせる外装を与えています。

「ザッパー」の魂を受け継ぐデザイン

例えば、丸型LEDヘッドライトの上に並ぶ砲弾型2連メーターや、しずく型の燃料タンク、細身のシートからテールカウルへ流れるラインなど、往年のZ650(愛称: “ザッパー”)の意匠を随所に取り入れているのが特徴です。こうしたクラシカルな演出に加え、中身は最新技術を盛り込んでおり、まさに「懐かしくて新しい」バイクに仕上がっています。

Zシリーズ50周年と特別モデル

Zシリーズ50周年となった2022年には、Z900RSだけでなくこのZ650RSにも50周年記念モデルが用意されました。当初はZ900RSのみと予想されていただけに、「Z650RSにも火の玉カラー(キャンディダイヤモンドブラウン)の50thアニバーサリーが登場!」と話題になりました。この特別モデルは、1972年の名車Z1をオマージュした塗装や専用エンブレムを纏い、標準モデルと同時に発売されています。こうした背景からも、Z650RSがカワサキのヘリテージ(伝統)と現代技術の融合を体現するモデルであることがうかがえます。

扱いやすさと最新技術!Z650RSの3つの魅力

Z650RSが高く評価されているポイントの一つが、扱いやすくバランスに優れた走行性能です。

パワフルかつ扱いやすい水冷2気筒エンジン

エンジンは649cc水冷並列2気筒DOHC4バルブで、最高出力68PS/8000rpm、最大トルク63N・m/6700rpmを発揮します。このエンジンは兄弟車のNinja650やZ650譲りで、低中速から力強いトルクを生み出しつつ、高回転までスムーズに吹け上がるのが特徴です。発進や街乗りでは粘り強く、ワインディングでは軽快に回ってくれるため、ベテランからビギナーまで扱いやすいエンジン特性といえます。

驚きの軽さ!188kgの軽量コンパクト設計

車体周りも軽量コンパクトにまとめられており、装備重量はわずか188kg(燃料満タン時)です。これは上位モデルのZ900RSより27kgも軽く、またエンジン幅もスリムなため、取り回しが非常に楽です。加えてシート高は800mmと中型バイクとしては低めで、シート形状も細身に絞られているため足つき性に優れています。身長がそれほど高くないライダーでも両足が地面に届きやすく、大型バイク初心者でも安心して扱える一台となっています。

安心の最新装備:KTRCとアシスト&スリッパークラッチ

電子制御や装備面も現代の水準に合わせて充実しています。2024年モデルからは待望のKTRC(カワサキトラクションコントロール)が新搭載され、安全性とスポーツ走行時の安定感が向上しました。路面状況に応じてエンジン出力を制御する先進のトラクションコントロールで、滑りやすい路面でも安心感を高めています。

また、クラッチにはアシスト&スリッパークラッチを採用し、クラッチ操作荷重を軽減するとともに、急なエンジンブレーキ時の後輪ホッピングも低減します。さらにデュアルチャンネルABSも標準装備されており、ブレーキング時の車体安定性もしっかり確保されています。

レトロとモダンが融合した装備類

一方で、レトロな雰囲気を演出する装備も見逃せません。先述のアナログ二連メーターは速度計と回転計を独立配置し、その間に小型LCDスクリーンを備えて必要な情報を表示します。メーター内にはECOインジケーターもあり、燃費走行時に点灯してライダーにエコな運転を促す機能も搭載されています。

丸型ヘッドライトは昔ながらの形状ながら中身はLEDで明るく、テールランプやウインカーもLED化され視認性と省電力を両立。41mm径の正立フロントフォークやホリゾンタルバックリンク式リアサスなど、足回りも必要十分なスペックを備えています。

総じて、Z650RSは**「軽さ・扱いやすさ」と「最新装備」、そして「味わい深いデザイン」**を高次元でバランスさせた魅力的なモデルなのです。

【2024年モデル】新色登場!歴代カラーも振り返る

バイク選びの楽しみの一つがカラーリング。Z650RSも年式ごとに魅力的なカラーが登場しています。

2024年モデルは鮮烈な赤と渋い黒系!

2024年モデルのZ650RSでは、カラーリングが刷新されました。ラインナップされたのは**「キャンディミディアムレッド」「エボニー×メタリックマットカーボングレー」**の2色で、いずれも新色となります。

  • キャンディミディアムレッド: 艶やかな赤色で、1978年式Z650(B2)が纏っていた赤色をオマージュしたカラーです。ゴールドに輝くホイールが組み合わされ、黒いフレームとのコントラストも相まって非常に華やかな印象。
  • エボニー×メタリックマットカーボングレー: ブラックとマットグレーのツートンカラー。こちらはZ900RSの2024年モデルにも採用された配色に似ており、渋い大人っぽさが漂う落ち着いた雰囲気です。

歴代モデルの人気カラー(グリーン、火の玉カラーなど)

過去のモデルのカラーも振り返ってみましょう。

  • 2022年標準カラー「キャンディエメラルドグリーン」: 1977年登場の初代Z650(B1)のタンク色を再現したグリーンで、Z650RSのイメージカラーとも言える存在です。
  • 2022年 50周年記念モデル「火の玉カラー(キャンディダイヤモンドブラウン×オレンジ)」: Z1を彷彿とさせる特別仕様車。専用グラブバーや金色ホイール、高級感のあるシート表皮などが奢られ、記念モデルに相応しい仕上がりでした。標準モデルよりも高価格でしたが、ファンから大きな注目を集めました。
  • 2023年追加カラー「メタリックムーンダストグレー×エボニー」: グリーンを継続しつつ、グレー基調に黒の組み合わせでシックな印象を与えるカラーが追加されました。

こうした年ごとのカラー変更もZ650RSの楽しみの一つ。クラシカルなバイクらしくカラーリングによるイメージの変化が大きいのも特徴です。

ライバル比較:XSR700、CB650RとZ650RS、あなたに合うのは?

Z650RSが属するネオレトロ中量クラスには、魅力的なライバルが存在します。ここではヤマハ XSR700とホンダ CB650Rと比較してみましょう。

スペック比較表

モデルエンジン出力車両重量シート高主な装備・価格(税込)
カワサキ Z650RS (2024)649cc 水冷並列2気筒 DOHC 4バルブ68PS / 8000rpm188kg800mmKTRC、アシスト&スリッパークラッチ、ABS標準<br>税込約107.8万円
ヤマハ XSR700 (2023)688cc 水冷並列2気筒 DOHC 4バルブ73PS / 8750rpm188kg835mmABS標準・トラコンなし<br>クラッチアシスト機構あり<br>税込約91万円
ホンダ CB650R (2023)648cc 水冷直列4気筒 DOHC 4バルブ95PS / 12000rpm205kg810mmHSTC(トラコン)、倒立フォーク、ABS標準<br>税込約100〜110万円 ※仕様による

※スペック値はメーカー公称値。価格はモデルイヤーや仕様により変動。

ヤマハ XSR700との違い

Z650RSとXSR700は、共に扱いやすい並列2気筒エンジンを搭載し、車重もほぼ同じです。馬力ではXSR700がやや上回りますが、シート高はXSR700が35mm高いため、足つき性はZ650RSに分があります。XSR700は電子制御がシンプル(トラコン非搭載)な分、価格が抑えられているのが魅力です。デザインはヤマハらしいポップでカジュアルなレトロ感が特徴です。

ホンダ CB650Rとの違い

CB650Rは、高回転までスムーズに吹け上がる直列4気筒エンジンを搭載し、95PSとクラストップレベルのパワーを発揮します。車重は200kgを超えますが、倒立フォークやラジアルマウントブレーキなど、スポーティな走りを支える装備が充実しています。「Neo Sports Café」コンセプトによるモダンで先鋭的なデザインも特徴です。

Z650RSならではの立ち位置

これらライバルと比較すると、Z650RSは**突出したパワーよりも「扱いやすさ」と「バランスの良さ」**が際立ちます。2気筒らしい低速トルクと軽量コンパクトな車体は、街乗りからワインディングまでシーンを選ばず軽快な走りを楽しませてくれます。

そして何より、1970年代のZの雰囲気を色濃く残したクラシカルなデザインは、Z650RSだけの大きな魅力と言えるでしょう。最新のトラクションコントロールも搭載し、安全性とレトロな趣きを高次元で両立している点も、ライバルにはない特徴です。

こんなライダーにおすすめ!Z650RSが輝くシーン

Z650RSは、そのオールラウンドな性格から幅広いライダーにおすすめできます。

街乗り・通勤を快適に楽しみたいあなたへ

軽量で取り回しが楽なため、ストップ&ゴーの多い街中でもストレスを感じにくいでしょう。アップライトなポジションと扱いやすいエンジン特性で、毎日の相棒としても最適です。燃費も良好で経済的な点も嬉しいポイントです。

週末のツーリングやワインディングを楽しみたいあなたへ

高速道路を使ったツーリングから、峠道のコーナリングまでそつなくこなします。絶対的な速さよりも、気持ちよくバイクを操る楽しさを重視するライダーにぴったり。軽い車体はワインディングで軽快なハンドリングをもたらし、長距離でも疲れにくいと評判です。

大型バイクデビューやリターンライダーのあなたへ

「初めての大型バイク」としてもZ650RSは非常におすすめです。188kgの軽さと800mmのシート高、良好な足つき性は、大きな安心感を与えてくれます。扱いやすいパワー特性で、公道デビューもスムーズでしょう。また、かつてバイクに乗っていたリターンライダーの方々にとっては、懐かしいスタイルと現代的な信頼性を兼ね備えた、まさに「ちょうどいい相棒」となるはずです。

Z900RSは少し大きいと感じるあなたへ

「Z900RSのデザインは好きだけど、重さや大きさが気になる…」という方には、Z650RSがベストマッチ。Z900RSより約27kg軽く、価格も抑えられています。それでいて、憧れのZシリーズの世界観はしっかりと受け継いでおり、より身近に、気軽に楽しむことができます。

購入前にチェック!気になるアレコレ(リセール・足つき・維持費)

購入を具体的に検討する上で、気になるポイントをまとめました。

リセールバリューは期待できる?

カワサキのZシリーズは中古市場でも人気が高く、Z650RSも注目度が高いモデルです。発売直後は品薄状態になったこともあり、比較的安定したリセールバリューが期待できます。特に限定カラーなどは将来的に価値が上がる可能性もあります。とはいえ、バイクは長く乗ってこそ。値崩れしにくいという安心感はありますが、愛車としてじっくり付き合うのが一番でしょう。

気になる足つき性と取り回し

シート高800mmと数値上は標準的ですが、車体がスリムなため足つきは非常に良好です。身長170cm前後ならかかとまでしっかり接地できるという声も多く聞かれます。ハンドル切れ角も大きく、軽い車重と相まって、駐輪場での押し引きやUターンも比較的楽に行えます。初心者や小柄な方でも不安を感じにくいでしょう。

維持費はどれくらい?

Z650RSは2気筒エンジンのため、4気筒モデルに比べてオイル交換量やプラグ本数が少なく、メンテナンスコストを抑えやすい傾向にあります。タイヤサイズも標準的で、燃費も良好なため、ランニングコストは大型バイクとしては比較的リーズナブルです。もちろん、定期的なチェーンメンテナンスやオイル交換などは必要ですが、基本的な維持費は抑えやすいモデルと言えます。

Z650RS よくある質問(FAQ)

Q1. 大型バイク初心者ですが、Z650RSは扱いやすいですか?

A. はい、非常に扱いやすいモデルとして定評があります。軽量な車体、良好な足つき、穏やかでトルクフルなエンジン特性など、初心者ライダーに優しい要素が多く備わっています。教習車からのステップアップとしても、不安なく乗り始められるでしょう。

Q2. Z650RSとZ900RSの主な違いは何ですか?

A. 最大の違いはエンジン(Z650RS: 649cc 2気筒 / Z900RS: 948cc 4気筒)と、それに伴うパワー、車格、重量です。Z900RSの方がパワフルで高速性能に優れますが、Z650RSはより軽量で扱いやすく、価格も抑えられています。デザインコンセプトは共通ですが、Z650RSはより軽快で親しみやすいキャラクターです。

Q3. Z650RSの燃費と航続距離はどのくらいですか?

A. メーカー公表のWMTCモード値は23.6km/Lです。実際の走行では、街乗りで20km/L前後、ツーリングでは25km/L程度が目安となるでしょう。燃料タンク容量は12Lなので、満タンからの航続距離は200km~240km程度を見込むのが現実的です。メーターには燃料計とエコインジケーターも装備されています。

カワサキ Z650RS (2024年モデル) 主要スペック

項目スペック
年式(型式)2024年モデル 日本国内仕様 (8BL-ER650M)
メーカー希望小売価格1,078,000円(税込)
エンジン型式・種類ER650M・水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ
総排気量649 cm³
内径×行程83.0 × 60.0 mm
圧縮比10.8 : 1
最高出力50 kW (68 PS) / 8,000 rpm
最大トルク63.0 N·m (6.4 kgf·m) / 6,700 rpm
燃料供給方式フューエルインジェクション(φ36mm×2)
始動方式セルフスターター
点火方式フルトランジスタ式バッテリー点火
クラッチ湿式多板アシスト&スリッパークラッチ
変速機常時噛合式6速リターン
フレーム高張力鋼製トレリスフレーム
サスペンション (前/後)正立テレスコピック φ41mm / ホリゾンタルバックリンク
ブレーキ (前/後)ダブルディスク / シングルディスク (ABS標準)
タイヤサイズ (前/後)120/70ZR17 / 160/60ZR17
全長×全幅×全高2,065 × 800 × 1,115 mm
ホイールベース1,405 mm
最低地上高125 mm
シート高800 mm
車両重量(装備)188 kg
燃料タンク容量12 L
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
燃料消費率 (WMTC)23.6 km/L (クラス3-2・1名乗車時)
主要装備KTRC、ABS、アシスト&スリッパークラッチ、LED灯火類、ETC2.0車載器キット標準装備

まとめ

カワサキ Z650RSは、往年のZが持つ魅力的なスタイリングと、現代のバイクに求められる扱いやすさ、安全性を高い次元で融合させたミドルクラスのネオレトロモデルです。2024年モデルではトラクションコントロールが追加され、さらに魅力を増しました。

軽量コンパクトで足つきも良く、街乗りからツーリングまで幅広く楽しめるため、大型バイク初心者からベテランライダー、リターンライダーまで、多くの人におすすめできる一台です。

この記事が、あなたのZ650RS選びの参考になれば幸いです。

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