「バイクのミラー、なんかゴツくてカッコ悪い…」
「いっそのこと、片方外しちゃおうかな?でも違反じゃないの?」
バイクに乗っていると、ミラーのデザインが気になったり、カスタムでスッキリさせたいと思ったりすること、ありますよね。特に、片方のミラーだけ外して走っているバイクを見かけると、「あれってアリなの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
【結論】バイクのミラー、片方だけでOK? → 基本的に「NG」です!
まず結論から。現在、日本で公道を走るほとんどのバイクは、左右両方のミラーが付いていないと法律違反(整備不良)になる可能性が高いです。
「え、でも片方しか付いてないバイク見たことあるよ?」と思うかもしれません。それには理由があります。
なぜ「基本的にNG」なのか?法律のルールを知ろう
バイクのミラーに関する法律(道路運送車両の保安基準)は、実は少し複雑です。ポイントは「製造年月日」です。
- 【重要】2007年(平成19年)1月1日以降に製造されたバイク:
- 排気量に関わらず、左右両方のミラーが必須です。原付でも大型バイクでも、この年代以降のバイクは片方ミラーはアウト!
- 【例外】2006年(平成18年)12月31日以前に製造されたバイク:
- 最高速度50km/h以下のバイク(主に原付一種など) は、右側ミラーだけでもOKでした。
- 最高速度50km/hを超えるバイク は、この年代以前でも左右両方が必要でした。
つまり、ごく一部の古い原付などを除き、ほとんどのバイクでは左右両方のミラーが必要ということです。「片方ミラーのバイクを見た」というのは、この古い原付だったか、あるいは残念ながら違反状態だった可能性があります。
自分のバイクの製造年月日が分からない場合は、車検証や標識交付証明書を確認するか、バイクショップに相談してみましょう。
ミラーの「数」だけじゃない!大きさや位置もルールあり
さらに、ミラーは「付いていれば何でもOK」というわけではありません。安全な視界を確保するために、大きさや形、取り付け位置にも細かいルール(保安基準)があります。
- 大きさ: 鏡面の面積が69㎠以上必要(小さすぎるミラーはNG)。円形なら直径9.4cm以上。
- 形状: 歩行者に当たっても危なくないよう、角が丸いこと。鏡面は後ろが広く見える凸面鏡であること。
- 位置: ハンドル中心から左右に28cm以上離れた位置で、ちゃんと後ろが見えること。極端に内側や下向きすぎる取り付けはNG。

カスタムミラーに交換する場合も、これらの基準を満たしている「保安基準適合品」を選ぶ必要があります。
もし違反したらどうなる?
基準を満たさないミラー(片方しかない、小さすぎるなど)で走行すると、「整備不良」として警察に止められる可能性があります。
- 違反点数: 1点または2点(状況による)
- 反則金: 二輪車 6,000円~7,000円程度、原付 5,000円~6,000円程度
「ミラーくらい…」と軽く考えていると、思わぬところでキップを切られることになるかもしれません。
なぜ両方必要なの?安全性の話
法律で決められているから、というだけでなく、安全面からも左右両方のミラーは非常に重要です。
ミラーはライダーの「後ろの目」
バイクは車と違って、体をひねらないと真後ろは見えませんよね。ミラーは、その死角を補い、後方の交通状況を把握するための大切な「目」の役割を果たしています。
- 車線変更: 隣の車線を走る車の有無や距離感を確認。
- 右左折: 曲がる先の安全だけでなく、後続車がどう動いているかを確認。
- 合流: 本線に入るときの後続車の速度やタイミングを確認。
- 危険回避: 後ろから急接近してくる車などを早めに察知。
これらの場面で、ミラーからの情報がなければ、安全な判断はできません。
片方ミラーのリスク:死角が増えて危ない!
もしミラーが片方(特に左側がない場合)だと、どうなるでしょうか?
- 片側の死角が広がる: 特に左後方が見えにくくなり、左折や左への車線変更時にバイクや自転車を見落とす危険性が高まります。
- 左右確認に時間がかかる: 一瞬で左右の状況を把握できず、判断が遅れる可能性があります。
- いざという時に確認できない: 追い越し時など、左右両方の状況把握が必要な場面で、十分な安全確認ができません。
「右ミラーがあれば大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、左後方からの追い越しや、左側の路肩の状況確認など、左ミラーが必要な場面は意外と多いのです。
ミラーなしは論外!自殺行為に近い危険性
言うまでもありませんが、両方のミラーがない状態で走るのは極めて危険です。後方の情報が全く入ってこないため、いつ追突されてもおかしくありません。これは整備不良違反である以前に、安全を完全に放棄した行為と言えます。絶対にやめましょう。
「カッコよさ」と「安全性・合法性」を両立するには?
「法律も安全性も分かったけど、やっぱり純正ミラーは野暮ったい…」と感じる方もいるでしょう。大丈夫です!カスタムでスタイリッシュに見せつつ、ルールを守る方法はあります。
保安基準適合のカスタムミラーを選ぼう!

今は様々なデザインのカスタムミラーが販売されています。選ぶ際の最重要ポイントは「保安基準適合」であるかどうかです。
- 「保安基準適合」の表示を確認: 多くのメーカーが適合品であることを明記しています。
- サイズや形状をチェック: 小さすぎたり、尖っていたりしないか確認しましょう。
- 取り付け位置: ちゃんと後方が見える位置に、規定通りに取り付けられるか確認が必要です。
バーエンドミラーなども人気ですが、これも保安基準(特に取り付け位置や視認範囲)を満たしていれば合法的に使用できます。
ミラーを安易に外すのはNG!
「ちょっとの間だけ…」「見た目重視だから…」という軽い気持ちでミラーを外すのは絶対にやめましょう。違反になるリスクと、何より事故に遭うリスクを考えれば、割に合わない行為です。
ミラーは単なる飾りではなく、あなたの命を守るための重要な安全装置なのです。
まとめ:ミラーは左右しっかり!安全第一でカスタムを楽しもう!
バイクのミラーに関する疑問、解決しましたか?
- 原則: 2007年1月1日以降製造のバイクは左右両方のミラーが必須!(古い原付などを除く)
- 法律: 片方ミラーや基準外ミラーは整備不良違反になる可能性大。
- 安全: ミラーは後方確認の命綱。片方だけだと死角が増え、非常に危険。ミラーなしは論外!
- カスタム: 保安基準適合のミラーを選べば、合法的にカッコよくできる!
ミラーは、あなたのバイクライフの安全を支える大切なパーツです。法律を守り、安全性を確保した上で、自分らしいカスタムを楽しんでくださいね!