バイクの魅力が最高潮に達する春夏のシーズン。心地よい風を全身で感じながら、美しい景色の中を駆け抜けるツーリングは、何物にも代えがたい特別な体験です。しかし、その楽しさを満喫するためには、安全と快適性を確保する装備が絶対に欠かせません。
特にバイクに乗り始めたばかりの初心者ライダーにとっては、「どんな装備を揃えればいいの?」と迷ってしまうことも多いはず。
そこでこの記事では、バイク情報サイトのプロライターである筆者が、春夏シーズンのライディングに不可欠な装備を厳選してご紹介します!市場での人気やユーザー評価も踏まえながら、それぞれのアイテムが持つ安全性や快適性、機能、価格帯などを分かりやすく解説していきます。
このリストを参考に、あなたも安全で快適なバイクライフをスタートさせましょう!
バイク初心者向け春夏必須装備トップ5
このランキングは、バイク初心者の方が特に重視すべき「安全性」、春夏のライディングに欠かせない「快適性」、そして多くのライダーに選ばれている「人気度」を総合的に判断して作成しました。初めての装備選びで後悔しないために、ぜひ参考にしてください。
(※価格帯はあくまで目安であり、購入時期や販売店によって変動する可能性があります。)
第1位:メッシュジャケット – プロテクションと驚きの涼しさを両立!


日本の高温多湿な夏をバイクで乗り切るために、真っ先に手に入れたいのがメッシュジャケットです。初心者ライダーの「最初の1着」としても、非常におすすめできます。
メッシュジャケットは、その名の通り生地の大部分が網目状(メッシュ)になっています。これにより、走行中に受ける風を効率的にジャケット内に取り込み、体温の上昇や汗による蒸れを大幅に軽減してくれます。 Tシャツ一枚で乗るよりも、適切に風を通すメッシュジャケットを着ている方が涼しく快適、かつ安全なのです。
安全性:万が一の備えもしっかり
多くのメッシュジャケットには、転倒時にダメージを受けやすい肩、肘、背中にプロテクターが標準装備されています。さらに、胸部プロテクターも装備されているモデルや、後から追加できるモデルを選べば、より安全性が高まります。
また、夜間やトンネル内での視認性を高める反射材が付いているかもチェックしましょう。
快適性:涼しさを持続させる工夫
最大の魅力である圧倒的な通気性に加え、内側に吸汗速乾素材を使用しているモデルも多くあります。これにより、汗をかいてもベタつきにくく、サラッとした着心地を保つことができます。
袖口やウエスト部分にアジャスターが付いていれば、自分の体型に合わせてフィット感を調整でき、風によるバタつきを抑えて疲労を軽減できます。
素材・機能・価格帯
主な素材はポリエステルメッシュやナイロンで、軽さと耐久性を兼ね備えています。日焼け対策としてUVカット機能を持つ素材が使われていることもあります。
価格帯: エントリーモデルなら1万円前後から、高機能モデルでは2万円~3万円程度が目安です。
ユーザーの声・人気モデル例


コミネ JK-128 プロテクトフルメッシュジャケット: 「全身プロテクター付きで安心感が高い」「驚くほど涼しい」「コスパが良い」といった声が多く、定番モデルとして人気です。17,490円(税込)


ラフアンドロード ラフメッシュジャケット: 「手頃な価格で入門用に最適」「シンプルなデザインが良い」と評価されています。(※プロテクターはオプションの場合が多いので確認が必要です)19,800円(税込)


RSタイチ トルク メッシュジャケット: 「デザイン性が高い」「胸部ハードプロテクター標準装備が安心」という声があります。19,800円(税込)
第2位:メッシュグローブ – 手の保護と操作性を確保する必需品


意外と見落としがちですが、グローブも非常に重要な安全装備です。転倒時にはとっさに手をつくことが多く、素手では大きな怪我につながりかねません。春夏シーズンは、手の保護と快適性を両立するメッシュグローブを選びましょう。
安全性:衝撃から手を守るプロテクター
拳部分を守るナックルプロテクターや、手のひら側の衝撃を吸収するパームプロテクター(スライダー)が装備されているモデルを選びましょう。硬質素材や衝撃吸収性に優れたソフト素材が使われています。
また、手のひら側に滑り止め加工が施されていると、スロットルやレバーの操作が安定し、安全運転につながります。
快適性:蒸れずに操作しやすい
メッシュ素材による高い通気性で、手の汗による不快な蒸れを防ぎます。吸汗速乾素材が使われていれば、さらに快適です。
指の形に合わせた立体裁断のグローブはフィット感が高く、繊細なレバー操作もスムーズに行えます。
素材・機能・価格帯
素材はポリエステルメッシュを中心に、レザー(通気性を高めるパンチング加工が施されているものも)や合成皮革などが使われます。
最近では、グローブを装着したままスマートフォンを操作できる機能が付いたモデルも多く、非常に便利です。手首はベルクロなどでしっかり固定できるタイプを選びましょう。
価格帯: 2,000円台~8,000円程度が主流で、比較的手に取りやすいアイテムです。
ユーザーの声・人気モデル例


デイトナ HBG-053 スポーツメッシュグローブ: 「フィット感が良い」「操作しやすい」「値段以上の品質」と評価されています。6,050円(税込)


コミネ GK-2475 アドベンチャーメッシュグローブ: 「スマホ対応が便利」「プロテクションもしっかりしている」といった声があります。6,490円(税込)


RSタイチ RST442 ラプターメッシュグローブ: 「プロテクション性能が高い」「デザインが良い」と人気ですが、「他のメッシュに比べると少し蒸れるかも」という意見も。12,650円(税込)
第3位:プロテクター付き軽量ライディングパンツ – 油断しがちな下半身もしっかりガード


ジャケットやグローブに比べて、パンツは普段着で済ませてしまう初心者の方もいるかもしれません。しかし、転倒時には下半身もアスファルトに打ち付けたり、擦ったりする危険があります。安全のためには、プロテクター付きのライディングパンツを着用しましょう。
春夏向けには、通気性が良く動きやすい軽量タイプがおすすめです。
安全性:膝と腰を保護
素材は、万が一の際に破れにくい耐摩耗性に優れた生地(バイク用デニム、コーデュラ®ナイロンなど)が使われていることが重要です。
快適性:蒸れにくく動きやすい
暑い季節でも快適に過ごせるよう、通気性の良い素材(メッシュを組み合わせたものなど)や、ベンチレーション機能(開閉式の通気口)が付いていると理想的です。
ストレッチ素材が使われているパンツは、ライディング中の膝の曲げ伸ばしや乗り降りが楽になります。膝部分がバイクの乗車姿勢に合わせて立体的に裁断されていると、さらに快適性が向上します。
素材・機能・価格帯
素材はナイロン、ポリエステル、強化繊維(アラミドなど)を織り込んだデニム、コットンなど様々です。カーゴタイプやチノパン風など、普段着に近いデザインのものも増えています。
価格帯: 1万円前後から3万円程度まで、素材や機能によって幅があります。
ユーザーの声・人気モデル例


RSタイチ RSY258 クイックドライカーゴパンツ: 「ストレッチが効いていて動きやすい」「速乾性が高く夏も快適」「見た目も普段着に近い」と高評価です。19,800円(税込)


コミネ PK-743 プロテクトライディングメッシュパンツ: 「メッシュで涼しい」「プロテクター付きで安心」「コスパが良い」という意見が多く、夏の定番パンツとして人気です。16,280円(税込)
第4位:ライディングシューズまたはブーツ – 足元の安全と操作性を両立


バイクの操作において、足元はシフトチェンジやブレーキング、停車時の支えなど、重要な役割を担っています。普通のスニーカーでは、転倒時の保護性能が不十分なだけでなく、操作性も良くありません。ライディング専用のシューズやブーツを選びましょう。
春夏シーズンは、通気性の良い軽量なモデルが快適です。
安全性:くるぶしまで保護し、滑りにくい
ライディングシューズ/ブーツの重要な役割は、くるぶし(足首)の保護です。転倒時にバイクの下敷きになったり、捻ったりするリスクを軽減します。つま先やかかと部分にも補強が入っているものを選びましょう。
靴底は、アスファルトやステップ上で滑りにくい素材・形状になっていることが重要です。また、シフトペダルが当たる部分には、靴の消耗を防ぐシフトパッドが付いていると便利です。
快適性:蒸れにくく、歩きやすい
メッシュ素材が使われていたり、パンチング加工(小さな穴あけ加工)が施されていたりするモデルは、通気性が良く蒸れにくいです。
バイクを降りて歩くことも考慮し、軽量で歩きやすいモデルを選ぶと、ツーリング先での散策なども楽しめます。脱ぎ履きのしやすさも、意外と重要なポイントです(BOA®フィットシステムなどは着脱が楽です)。
素材・機能・価格帯
素材はレザー、合成皮革、マイクロファイバー、テキスタイル(布地)などが使われます。急な雨にも対応できる防水・透湿機能(例:DRYMASTER、GORE-TEX®)を備えたモデルも人気があります。
価格帯: 1万円台前半から3万円程度が中心です。
ユーザーの声・人気モデル例


RSタイチ RSS011 DRYMASTER-FIT フープシューズ: 「防水なのに蒸れにくい」「BOAシステムで着脱が楽」「デザインが良い」と非常に人気が高いモデルです。23,980円(税込)


elf シンテーゼシリーズ: 「日本人の足に合いやすい」「履き心地が良い」「バックルでしっかり固定できる」と定番の人気シリーズです。20,350円(税込)
第5位:フルフェイスヘルメット – 安全の基本!頭部を確実に守る


数あるバイク用装備の中で、最も重要なのがヘルメットです。命を守るための最重要アイテムであり、絶対に妥協してはいけません。特に初心者の方には、安全性が最も高いフルフェイスヘルメットを強くおすすめします。
フルフェイスヘルメットは、頭部全体をすっぽりと覆い、顎(あご)の部分までしっかりと保護してくれます。万が一の事故の際、顔面や顎部へのダメージを最小限に抑えることができます。また、走行中の風切り音や風圧、雨風、飛び石などからもライダーを守り、快適なライディングにも貢献します。
安全性:確かな保護性能の証
ヘルメットを選ぶ際は、まず安全規格を確認しましょう。日本国内でバイク用ヘルメットとして販売するにはPSCマークの表示が義務付けられており、さらにSGマークが付いていれば、製品安全協会の基準を満たし、万が一の際の対人賠償保険も付いています。
より高い安全性を求めるなら、SNELL規格やECE規格といった、さらに厳しい衝撃吸収テストなどをクリアしたヘルメットを選ぶと良いでしょう。
ヘルメット本体(シェル)の素材や、内部の衝撃吸収ライナー(EPS)の性能、そして確実に頭部に固定できるあご紐(チンストラップ)も重要です。(Dリング式は確実性が高く、ワンタッチバックル式は着脱が容易です)
快適性:フィット感とベンチレーションが鍵
ヘルメットは、自分の頭のサイズ・形にぴったり合ったものを選ぶことが非常に重要です。緩すぎると事故の際に脱げてしまう危険があり、きつすぎると頭痛の原因になります。必ず試着して、フィット感を確認しましょう。
暑い季節の快適性を左右するのがベンチレーションシステムです。ヘルメットに設けられた空気の取り入れ口と排出口が、内部の蒸れを軽減してくれます。
内装には吸汗速乾素材が使われているものがおすすめです。また、内装を取り外して洗濯できるモデルなら、清潔に保つことができます。
素材・機能・価格帯
シェルの素材には、ABS樹脂、ポリカーボネート、FRP(グラスファイバー)、カーボンファイバーなどがあり、一般的に後者になるほど軽量で高価になります。
シールド(風防)には、UVカット機能や、曇りを防ぐPinlock®シート(別売りオプションの場合あり)が装着できるものが便利です。
価格帯: 1万円台後半のエントリーモデルから、トップモデルでは7万円以上するものまで様々です。
ユーザーの声・人気モデル例


SHOEI Z-8: 「軽くてコンパクト」「静粛性が高い」「ベンチレーションが良く効く」と、ツーリングライダーを中心に絶大な人気を誇ります。62,700円(税込)


Arai Rapide-NEO: 「クラシックなデザインがかっこいい」「安全性が高い安心感」「フィット感が良い」と、デザイン性と安全性を両立したいライダーに人気です。


OGK KABUTO KAMUI-3: 「機能が充実しているのに価格が手頃」「インナーサンシェードが便利」など、コストパフォーマンスの高さで人気があります。44,000円(税込)
トップ5以外にも考慮すべき重要な装備
必須のトップ5に加えて、さらに快適・安全なバイクライフを送るために、以下のアイテムも検討してみましょう。
- ベースレイヤー(インナーウェア): 汗を素早く吸収・乾燥させてくれる高機能インナーを着用すると、ジャケットの下がベタつかず、驚くほど快適になります。夏用は接触冷感タイプもおすすめです。
- レインギア(雨具): 春夏でも天候は急変します。コンパクトに収納できるバイク用のレインウェアを携帯しておけば、突然の雨でも安心です。
まとめ:安全と快適は自分で作る!最適な装備選びで最高のバイクライフを
バイク初心者にとって、ライディングギアを揃えることは、安全で楽しいバイクライフを送るための最初の、そして最も重要なステップです。
今回ご紹介したトップ5の装備は、特に春夏シーズンのライディングにおいて、あなたの身を守り、快適さを提供してくれる心強い味方となるでしょう。
でも、たくさん種類があってどれを選べばいいか迷っちゃうな…
そんな時は、まず自分の予算とライディングスタイル(街乗りメイン?ツーリングも行く?)を考え、そして何より実際に試着してみることが大切です!
サイズ感やフィット感は、メーカーやモデルによってかなり違います。可能であれば、バイク用品店のスタッフさんに相談しながら、じっくり選んでみてくださいね。
初期投資は必要ですが、安全と快適性はお金には代えられません。しっかりと装備を整えれば、バイクに乗る自信も深まります。
さあ、あなたにぴったりの装備を見つけて、最高のバイクシーズンを思いっきり楽しみましょう!